不動産用語集

用語の頭文字

あ行

IT重説

不動産取引における重要事項説明を、インターネット等を利用して対面以外の方法で行なうこと。宅地建物取引業法が定めている重要事項説明における対面原則の例外である。

IT重説の導入に当たっては、関係書類を十分に確認できること、双方向で確実にやりとりができること、宅地建物取引士が実際に説明することなどの要件を満たすとともに、消費者が不利益を被らないよう措置する必要がある。そのための条件等について検討・検証が進められ、不動産の売買・賃貸に当たっての重要事項説明について、一定の条件を満たす場合に、IT重説を対面による説明と同様なものとして認める運用がなされている。

画像

アイランドキッチン

流しや調理台などを壁面から離し、キッチンの中央に置く配置方法。その部分が、さながら島(アイランド)のような様相となるため、この名称で呼ばれています。キッチンにもアレンジを求める奥様におすすめします。

 

アスベスト

石綿(せきめん・いしわた)のこと。

 

繊維質であるため紡績することができる。また、耐久力があり、溶融点が1,300度程度と高く、熱絶縁性が大きく、耐薬品性も大きいなど、安価で優れた性質を持つため、さまざまな用途に使用されてきた。建築素材としても、断熱材、保温材、耐火材として大量に利用された。

しかし、石綿の繊維を肺に吸入すると、肺がんや中皮腫の原因となることがわかり、1975年には吹き付け使用が禁止され、以後、段階的に使用の規制が強化 されて2006年には全面的に輸入・製造・使用等が禁止された(代替品が確立していない特定の部材については例外的に確立までの間は禁止が猶予されてい る)。

建物の解体などの際には、使用されていた石綿が飛散するなどの恐れがあり、それに伴う健康被害を予防するため、作業方法などについて一定の基準が定められている。

アルコーブ

マンションにおいて、共用廊下から数m離れた位置に玄関扉を置いた造りのこと。

アース

電位を大地と同じにすること。英語のearthで、「接地」ともいう。

電気回路の一部または電気機器等の金属部分を、導線によって、地中に埋設した接地用の電極とつなぐ方法で行なわれる。そのための導線を「アース線」または「接地線」という。 

落雷などによる過電流や電荷ノイズの流入を防ぎ、感電事故や電気機器の誤動作を防ぐことができる。また、アースを電気回路の一部として利用し回路を簡易化することもできる。

家電製品を設置する場合には、原則として、電源を接続するときに同時に、製品のアース線をコンセントのアース端末に接続する必要がある。

RC

鉄筋コンクリートのことでReinforced-Concrete(補強されたコンクリート)の略。鉄筋コンクリートを用いた建築の構造もしくは工法をRC工法といいます。賃貸マンションなどでも良く見かける工法です。

インスペクション

既存住宅を対象に、構造の安全性や劣化の状況を把握するために行なう検査・調査をいう。日本語の「住宅」と英語のInspection(検査)を組み合わせた造語である。

住宅インスペクションは、目視等を中心とした現況把握のための検査、耐震診断等の破壊調査を含めた詳細な調査、性能向上等のための調査など、目的に応じて異なった内容で実施される。

既存住宅の売買に当たっては、現況把握のための検査が実施されるが、そのためのガイドラインとして「既存住宅インスペクション・ガイドライン」(2013年、国土交通省)が公表されている。同ガイドラインの概要は次のとおりである。

1)インスペクションは、検査対象部位について、目視、計測を中心とした非破壊による検査を基本にして、構造耐力上の安全性、雨漏り・水漏れ、設備配管の日常生活上支障のある劣化等の劣化事象を把握する方法で行なう。
2)業務の受託時に契約内容等を検査の依頼人に説明し、検査結果を書面で依頼人に提出する。
3)検査を行なう者は、住宅の建築や劣化・不具合等に関する知識、検査の実施方法や判定に関する知識と経験が求められ、住宅の建築に関する一定の資格を有していることや実務経験を有していることが一つの目安になる。
4)公正な業務実施のために、客観性・中立性の確保(例えば、自らが売り主となる住宅についてはインスペクション業務を実施しないなど)、守秘義務などを遵守する。

また、建物状況調査における人材育成等による検査の質の確保・向上等を進めるため、「既存住宅状況調査方法基準」(2017年、国土交通省)が定められ、それに従ってインスペクションを実施するための「既存住宅状況調査技術者講習」が制度化された。

同基準は、既存住宅状況調査は既存住宅状況調査技術者講習を終了した建築士が行なうこと、調査は、構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分に係る調査として、調査対象住宅の構造に応じて規定する劣化事象等をそれぞれ定める方法により調査することなどを定めている。

なお、宅地建物取引業法に基づき、宅建業者は、1)既存住宅の媒介契約に当たって交付する書面に、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載しなければならず、2)重要事項説明に当たって、建物状況調査に実施の有無及びその結果の概要を説明しなければならないとされているが(2018年4月1日から適用)、この場合の建物状況調査は、建築士又は国土交通大臣が定める講習を終了した者が実施する者に限定されている。

ウォークインクローゼット(WIC)

その名のとおり「人が歩いて入れる(ほどの)収納」のことで、それだけの広さを確保した洋風の収納を指します。人が歩いて入れない場合は、単に「クロゼット」などと呼びます。収納の大小はお部屋探しの重要ポイントですから、高い人気を集めています。

ウォークスルークローゼット(WTC)

通り抜けできるクローゼット(衣服の収納空間)。英語のwalk through closet。

部屋間の通路の壁面を利用して設置されることが多く、ウォークインクローゼットと違って扉がない場合が多い。

SRC

鉄骨鉄筋コンクリート造のことでSteel Reinforced Concreteの略です。柱・梁など骨組みを鉄骨で組み、その周囲を鉄筋コンクリートで被い一体構造にした建築工法で、強度に優れています。主にマンションなど高層建築に用いられています。

ALC

発泡剤で多孔質化した軽量気泡コンクリートのこと。特徴として、加工が容易で、断熱性・耐火性も高いことが挙げられます。これまで主に鉄骨造等の外壁や内壁、屋根などに使われてきましたが、近年はALCを一戸建て住宅に使用するケースが増えています。

か行

確定測量

全ての隣接地との境界について隣接所有者との立ち会いをもとに境界確認を行う測量。確定測量により作成される実測図のことを「確定測量図」または「確定実測図」等と呼びます。

グルニエ

「グルニエ」とは「屋根裏部屋」を表すフランス語で、天井と屋根の間のスペースを利用した小部屋を指します。

 

似たような言葉で「ロフト」がございます。

グルニエとロフトの大きな違いは、はしごが「固定式」であるかどうかにあります。

一般的に、ロフトは部屋の一部分を2階建てのように区切ったスペースを指していることに対し、グルニエは天井と屋根の間に作られたスペースのことを指します。どちらも部屋の上部に位置しているため、そのスペースに行くためにははしごを使用しなくてはなりません。

固定式のはしごが取り付けられているロフトに対して、グルニエに行くためのはしごは建築基準法において「固定式でないもの」と義務付けられています。そのため、グルニエに取り付けられるはしごには、取り外し可能なものや折りたたみ式のものなどが多く使用されています。

1間(いっけん)、2間と言いますが、それは畳の長辺(長い方)の長さのことです。1間の収納と言えば、畳の長い方の辺1枚分の幅がある収納のことを指します。若いお客様ほどあまり使われない用語(単位)だけに、お部屋をご内見の際に「この収納は1間か」とつぶやくのもなかなか渋いですね

建ぺい率

敷地面積に対する建築面積(建物の水平投影面積)の割合(%)。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになる。

建物の建ぺい率の限度は、原則として、用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。

現況測量

土地に存在する境界標や工作物(建物やブロック塀、電柱や道路等)を測量して、現況の面積を求めたり、平面図を作成する測量です。 境界確定測量と異なり、隣接土地所有者や市町村等との立会いは不要なので期間も短く費用も安価です。

さ行

敷金

建物の借主が、賃料その他賃貸借契約上の債務を担保するため、貸主に交付する金銭をいう。
敷金は、契約が終了した場合に、未払賃料等があればこれを控除したうえで借主に対して退去後に返還される。

修繕積立金

管理組合が管理費とは別に共用部分や付属施設などの修繕を目的とした長期計画に従って修繕を実施するために、区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたものである。
管理費と同様、一般的に専有部分の専有部分の面積の割合で月額料金が定められている。

重要事項説明書

宅地建物取引業者が土地・建物の売買・仲介などを行った場合に、契約前にその不動産に関する権利関係や取引条件等について、書面(重要事項説明書)を交付して説明すること。
説明者は宅地建物取引士。取引士は重要事項説明書に記名・押印し、説明する際には宅地建物取引士証を説明する相手に提示しなければなりません。
つまり、取引士でなければ(証明しなければ)重要事項説明はできないということです。

セットバック

2項道路(建築基準法第42条第2項の規定により道路であるものとみなされた幅4m未満の道のこと)に接する場合において、建物を建築・再建築する際、道路の中心線から2mとなるよう敷地の一部を後退させることをいう。
なお、セットバックした部分は道路とみなされ、建物を建築することはできない。

ZEH

年間に消費する正味(ネット)のエネルギー量がおおむねゼロ以下となる住宅。ZEHは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称で、和製英語である。

ZEHは、住宅の高断熱化、設備(空調、換気、照明、給湯等)の高効率化、エネルギーの創出(太陽光発電等)によって実現できると考えられている。正味で75%省エネを達成したものをNearly ZEH、 正味で100%省エネを達成したものをZEHと称する。

なお、ZEHに類似した住宅としてゼロエミッション住宅があるが、ZEHはエネルギー消費の削減(省エネルギー)に特化した目標を定めているのに対して、ゼロエミッション住宅は総合的な環境負荷の削減を目標としている。

善管注意義務

「善良なる管理者の注意義務」の略。
借主は貸主に対して、契約書や使用規則等の定めに従って、善良な管理者の注意をもってその賃借物件を使用しなければならない義務を負っています。
賃貸物件(他人の所有物)だからといって、社会通念上要求される物件の管理・使用が求められているということです。※2018年2月1日現在の法令・認識等に基づいて作成。

た行

宅地建物取引士

宅地建物取引士資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた上で、宅地建物取引士証を交付された者のことです。
取引士は1事務所あたり、少なくとも業務に従事する者の5人に1人の割合で専任の取引士を設置することが法律で義務付けられています。
仮に事務所の従事者が6人ならば2人以上設置しなければなりません。それだけ不動産業には専門の知識が求められているということです。※2023年2月1日現在の業法・内容です。

仲介手数料

宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金のこと。
媒介手数料(媒介報酬)ともいう。

定期借家契約

平成12年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、賃貸期間が終了すると借家契約も終了し、借家人は退去しなければならないとする契約。
原則として契約の更新はできず、再契約には貸し主・借家人双方の合意が必要である。

抵当権

債務不履行(ローンが払えない等)の場合、貸金について他の債権者に優先して弁済(返済)を受けられる権利のこと。
賃貸の場合、アパートやマンションを建築するにあたっては、その多くがローン等を組んで建築しますから、その物件に抵当権が設定されていることはごく普通のことです。
ただし、その物件のオーナーが債務不履行に陥り、借りているアパートやマンションが競売にかけられてしまう等のケースも考えられます。※2018年2月1日現在の法令・認識等に基づいて作成。

鉄骨造

鉄骨を構造材料としてつくる工法・構造。鉄骨は燃えにくく強度が高いので、大きな力が加わったときに折れずに変形するだけで済むという特徴があります。主に重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2種類があります。

テラスハウス

2階建ての連棟式住宅のことをいう。
隣家とは共用の壁で連続しているので、連棟建て、長屋建てともいわれる。
各住戸の敷地は、各住戸の単独所有となっている。

DEN

英語「DEN」からきた言葉で、「巣」「ほら穴」を意味します。書斎やちょっとした個室・小部屋といった感覚のお部屋(空間)と言えるでしょう。部屋を子供に奪われたお父さんにとっては、唯一自分だけの空間となるか知れませんね。

取引態様

宅地建物取引業事業者(いわゆる不動産会社)が土地・建物の取引を行う際の立場を表したものです。
賃貸では「仲介(媒介)」「代理」「貸主」があり、よく募集図面の隅に記載されているかと思います。
「仲介(媒介)」は貸主・借主の間にたって契約すること。「代理」は不動産会社が貸主の代理となって契約すること。「貸主」は文字通り貸主がお部屋を紹介し契約することで、仲介手数料はかかりません。※2018年2月1日現在の法令・認識等に基づいて作成。

な行

納戸

収納ですが、一見するとお部屋のような広さや内装がある収納スペースのこと。
建築基準法で定められた居室の基準(採光等)に当てはまらないことから、納戸と表示する場合が多いです。その他「サービスルーム」などの表示される場合もありますが、納戸とほぼ同義と言えます。和風・洋風の差くらいでしょうか。

は行

はめ殺し窓

インパクトの強い名称ですが、採光のためにガラス戸を窓枠に固定し、開閉できない窓のことです。「フィックス(固定)窓」とも言われます。空気の換気は出来ません。デザイン(観賞)として設けられることもありますし、高層ビル等では上階からの落下物など危険防止のために設置されておるケースもあります。

ピクチャーレール

写真や絵画などを室内壁面に飾る際に、クギ等を打って壁に穴を開けなくてもすむように取り付ける、吊るすためのフックを取り付けたレールのこと。もちろん重量さえ許せば、他にもいろいろな物を吊るすこともできますので何かと便利です。

PC

工場や建設現場などであらかじめ成形してつくられたコンクリート部材を組み立てていく工法。プレキャストコンクリート(PC)工法といいます。PC版は床や壁などの用途に応じて成形されます。

ま行

マンション管理規約

「そのマンションの法律」とも言え、区分所有法に定めるものの他、建物や敷地、付属施設の管理・使用に関する事項を取りまとめた管理規約です。
この効力は、区分所有者はもちろん、建物等の使用方法に関する内容は「専有部分の占有者」、つまり分譲賃貸物件の入居者にも及びます。
分譲賃貸物件にお住まいの際は、賃貸借契約書ばかりでなく、管理規約に目を通す必要があるでしょう。

木造

主に柱や梁などの主要な構造部分が木材でつくられた住宅のことを指すことが多いですが特に決まった定義はありません。在来工法や2×4工法(枠組壁工法)、木質パネル工法など多種多様な工法があります。

や行

ユニットバス

壁、床、天井、浴槽を一体化して工場で生産された浴室のこと。システムバスとも呼ぶことも。浴槽と洗面が一緒になったものを2点ユニット、浴槽・洗面・トイレが一緒になっているものを3点ユニットと一般的には呼ばれています。近年はバス・トイレが同室のものは敬遠されがちですが、バス・トイレがコンパクトにまとまっているからこそ、その分、お部屋等その他のスペースを広くできるというメリットもあるのです。

ら行

ルーフバルコニー

階下住戸の屋上屋根部分などを利用スペースとした、一般的なバルコニーに比べてスペースが広く、開放感のあるバルコニーのこと。その広さや開放感から、専用庭のようにバーベキューや子供の遊び場としてフル活用したいところですが、階下の住民等への配慮も求められるため、多くの場合では、利用制限が設けられています。

礼金

建物の賃貸借契約を締結する際に、借主から貸主に対して、謝礼として支払われる金銭をいう。
契約が終了しても通常、借主に返還されない。

ロフト

天井の高い部屋の一部を上下2層に分け、その上段部分のスペースが主にロフトと言われています。物置用の屋根裏収納というのが本来の所でしょうか。ロフトは、収納はもちろん、寝室や書斎として、秘密基地として等々、多種多様な利用ができます。
なお「グルニエ」という表記もありますが、これはフランス語で「屋根裏収納」の意味。表現したいイメージによって使い分けられておる様ですが、ロフトとほぼ同義であると言えるでしょう。固定式のはしごが取り付けられているロフトに対して、グルニエに行くためのはしごは建築基準法において「固定式でないもの」と義務付けられています。そのため、グルニエに取り付けられるはしごには、取り外し可能なものや折りたたみ式のものなどが多く使用されています。